2022/11/22 13:14
彫刻家の中村駿です。
私は2020年3月に、横浜から奈良に引っ越して仏像制作を主に芸術活動をしています。
もちろん私自身、仏像を観るのが好きで、奈良のお寺や博物館によく足を運びます。
日本には懸仏と呼ばれる仏像の形があります。
銅などの金属で出来た丸い鏡に小さく可愛らし仏様をいただいた神仏習合の際に生まれた仏像です。
今では主に博物館や、お寺または神社などの宝物館などで観る機会がありますが、骨董としても取り引きされております。
壁にかけられる小さい仏像ですので和室に季節の花とともに飾ればお部屋を一層味わい深い空間に仕上げてくれます。
そんな懸け仏ですが実際の所、個人が手に入れるのはなかなか難しく、平安から鎌倉時代の代物ですから値段も高価です。
そこで彫刻家である私は、手に入らないのであれば自分で作ってしまおうということで始めたのが『懸仏シリーズ』です。
粘土で造形をしてアクリル絵の具でエイジング塗装を施しました。盤には桂という木材を使用しております。
(エイジング塗装とは、新しい素材を使用しながらも錆び付いているように見せたり、古めかしく見せる塗装方法のことです。)
美術大学に通っていた時期からエイジング塗装の技術を磨き、今制作している仏像と掛け合わせたものが『懸仏シリーズ』です。
木の風合いと共に、落ち着きのある古色風の色彩と、如来や菩薩の持つ穏やかな表情で、飾る空間を華やかに致します。
仏像が好きで奈良や京都によく旅をされるお方はもちろん、アートが好きなお方にも是非お家に飾って頂きたい作品です。
1躯1躯丁寧に仕上げておりますので唯一無二の仏様をあなたにお届け致します。
中村駿